積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『名探偵は嘘をつかない』/阿津川辰海

 

名探偵は嘘をつかない

名探偵は嘘をつかない

 

豹変する証人、死者が証言台に立つ裁判、物語の途中で出てくる事件名、そして逆転。

ぎゃ、逆転裁判だ……。

と、読んでいて思わず声を漏らしてしまいそうな作品でした。逆転裁判のファンからすると非常に好感の持てるオマージュが散りばめられていて、そこがまずよかったです。

加えて今作は探偵弾劾裁判など、なかなか特殊な設定の多い作品なのですが、その中でも特別魅力的な設定は「転生」ですね。これを生かして組み立てられた推理・真相がこの作品ならではの味わいを引き立てていました。

「転生」を含めかなりトリッキーな上に、500ページに迫る長い長編ミステリで、かなりクセのある一作ですが、物語から導き出される真相は感動の一言です。逆転裁判ファンはもちろん、ミステリファンには読み逃せない一作でしょう。