この記事で言いたいこと
醜態をさらし続ける男達を見たい人はテイルズオブエクシリアをやりましょう
— タマ (@TamaMarines1) 2021年4月26日
※この記事にはテイルズオブエクシリアのネタバレが含まれます。プレイ済みやネタバレを気にしない人だけが読んでください。
ついこの間、テイルズオブエクシリアをクリアした。
だからなのだが、
以前、指定された話の展開に持っていくために、とあるキャラがやらかすことで場面が動く、というシーンを書いちゃったことがあったけど、監修の人から「失点犯させて話を展開すると、キャラについたマイナスポイントの回復が大変難しくなるので別案を……」ってコメントをもらったことがあって→
— はるもん (@h_k_hob) April 25, 2021
このツイートを見て、思わず
イバルの話じゃん!
と心の中で盛り上がってしまった。
エクシリアプレイヤーには言わずと知れたイバルだが、改めて説明すれば、イバルとはエクシリアW主人公の一人、精霊の主ミラ=マクスウェルの巫子である男だ。
長年ミラの身の回りのお世話をしており、ミラを心から崇めている。
これだけの説明ならば、パーティーメンバーのようにさえ聞こえるイバルだが、実際には1秒も仲間キャラにはならない。
それどころか、ミラに信頼されている(W主人公の片割れである)ジュードを敵視し、度々目の前に現れて、揉め事を起こしてくる。
敵視してくるだけならば可愛いものだが、イバルの問題は引き起こしたトラブルにある。
調子に乗りやすく、かつ乗せられやすい性格に”ミラに信頼されている”という性質を利用され、最終的に「ジュードに勝てる」という悪魔のささやきを聞き入れてクルスニクの槍という装置を起動させてしまう。そこに至るまでの話の中では、クルスニクの槍は起動させてはいけない、精霊を殺して破壊力を生み出す装置として強く描写されていたため、これは明確に失点だ。
この行動によりエクシリアの物語は方向性を変え、話は加速していくのだが、イバルの失敗に対するマイナスポイントの回復は殆どなされない。
それどころか、イバルは再びジュードの前に現れて、勝つために戦いに挑んでくるほどだ。
度々引き起こす揉め事にクルスニクの槍の起動などが祟ってか、Googleで「エクシリア イバル」と打つと予測変換で「うざい」が出てくるくらいである。
しかし、「エクシリアが醜態をさらし続ける男達の物語」なのは、ただイバルに限った話ではない。
物語の大半で優柔不断っぷりを発揮するジュード、そして何回裏切ったか数えるのが嫌になりそうなアルヴィンの二人の存在の方がむしろ大きい。
ジュードは先程も述べた通り、エクシリアのW主人公の一人。イル・ファンという街の医学生だ。
彼が物語に絡んでいくのは、ミラの行動に巻き込まれて国家機密を知ってしまい、捕まらないために国から逃げ出したからだ。
身を寄せる場所も他になく、最初は後ろ向きな理由でミラの旅についていくこととなる。
やがて旅に目的を見出していくのだが、それも「ミラの役に立ちたい」というものが根底にあり、加えてキャラクターの我が弱いため、ミラへの依存度がどんどんと増していくのが描写されていく。
もう一人の男・傭兵のアルヴィンはただひたすら胡散臭いキャラクターとして最初から出現する。
いきなり「そんなところにただの傭兵がいたらおかしいだろ」というところから登場し、仲間としてパーティに参加しても時間があれば伝書鳩のようなものを飛ばすなど、明らかに”なんかやってる”感を醸し出してくる。
その後、いきなり主人公たちを兵に売ってくる・主人公たちの行動を逐一敵に横流しする・イバルを操ってクルスニクの槍を起動させるなど、ものすごいテンポで裏切ってくる。
しかしながら、アルヴィンの恐ろしさは、裏切ったあとにのほほんとした様子でまた主人公の仲間に加わってくる点だ。主人公たちはやむを得ず(?)アルヴィンを仲間に引き入れるが、その後また裏切り、そしてまた仲間として合流する。
アルヴィンが仲間として再合流するたびにパーティーが物々しい空気に引き込まれる点は物語の注目ポイントだ。
しかし、そんなアルヴィンも、所属していた組織の人間に裏切られてしまう。
その後、主人公であるミラが死んでから、この二人の醜態の見せ場が訪れる。
ミラが死んだのち、ジュードはミラを失ったショックと、やるべきことを見失ったため自暴自棄になってしまう(仲間の女の子・レイアが準備したパンとスープをちゃぶ台返しするシーンは中々ショッキングだ)
そこに裏切られ、目的を見失った結果、「ジュードたちを殺せば救ってやる」と言われて仲間を殺しに来たアルヴィンが現れる。
プレイして確かめるのが一番なのだが、ここからはただひたすらに情けない展開が続いていく。
我の弱いジュードを罵るアルヴィンや、殺してくれと言い出すジュード。殺しに来たのに中々引き金を引けないアルヴィン。
レイアに引き連れられて逃げ出すも自暴自棄で足がもつれるジュード、レイアを撃ってから後悔するような表情をするアルヴィンなど、酷い光景が続いていく。
このシーンの後、ジュードが心を持ち直していくのだが、醜態を見せつけ合う展開も相まって、物語最大の見せ場になっている。
純粋な心で見ると「こ、こいつらクソだ……」としかならないが、少しひねくれた目線で見ると面白い。それがテイルズオブエクシリアの味だと個人的には感じている。
全体的に話がしっちゃかめっちゃかしてしまったが、醜態を見せる男達レベルはテイルズオブシリーズ随一なので、そこは信用してほしい。
醜態をさらし続ける男達を見たい人はテイルズオブエクシリアをやりましょう
— タマ (@TamaMarines1) 2021年4月26日