積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『密室・殺人』

この記事には軽微なネタバレが含まれます。
小林泰三の初長編ミステリ作品らしいです。元々は角川から単行本化され、角川ホラー文庫で文庫化されている作品で、僕が読んだのは創元推理文庫版でしたが、やはりホラー要素が含まれます。
このホラー要素自体がミステリにおけるミスディレクションであるとともに、この作品の魅力のように感じました。本当にホラー描写の原因となる設定が綺麗にハマっていて、それがある一点の結論へと読者を至らしめてくれます。読み直してみると、本当に上手くできている作品だなと思いました。

小林泰三作品は『大きな森の小さな密室』『因業探偵』『見晴らしのいい密室』の三作品を読んでいましたが、この作品に強い関連があるのは前の二作品です。

大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)

大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)

因業探偵: 新藤礼都の事件簿 (光文社文庫)

因業探偵: 新藤礼都の事件簿 (光文社文庫)

僕としてはその二作品に出てくる「ある描写」がどうしても頭に引っかかってしまい、そのせいかオチの一部を予測できてしまったのが残念でした。そのため、できることならば今作『密室・殺人』を読んでからそれらの2作を読んだ方がいいかもしれません。