積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『異セカイ系』/名倉編

 

異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系 (講談社タイガ)

 

小説投稿サイトでトップ10にランクインしたおれは「死にたい」と思うことで、自分の書いた小説世界に入れることに気がついた。小説の通り黒騎士に愛する姫の母が殺され、大冒険の旅に……♪ってボケェ!! 作者(おれ)が姫(きみ)を不幸にし主人公(おれ)が救う自己満足。書き直さな! 現実でも異世界でも全員が幸せになる方法を探すんや! あれ、何これ。「作者への挑戦状」って……?

ザ・メタという感じで、僕にはとても苦手な内容だったんですが、非常に綺麗にまとまっているなと思いました。全体を通してみるとなろう系(異世界系)とミステリをガジェットにしてセカイ系とメタを作り上げたような印象です。(あんまり上手く言えてない気がする)

散りばめられた伏線が本当に綺麗に収まっていてそこは凄みを感じます。そこも伏線なのか〜みたいなところがミステリとしてよかったですね。

ただ、なろう系の一部に違和感を覚えたところがありました。本来これは突っ込むべき部分ではないと思うんですが、特に『臥竜転生』というタイトルが……あまりにもキャッチーさがないので、これは投稿サイトのランキングに登場する作品としてどうなんだろうと、一度違和感を覚えると止まらなくなりました。

あと、全体を通して主人公の語り(関西弁を含む)が読んでいて辛かったです。単純に読みにくさもあるんですが、語りが純粋に嫌でした。

それにしても、やっぱり僕はメタが苦手だな……と感じました。しばらくメタは読みたくないですね。

 

余談ですが、語りとか設定とか、読んでいてちょっと『俺たちに翼はない』を思い出しました。やっぱり影響とか受けているのかなーという点はちょっと気になりましたね。