積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『夏、19歳の肖像』/島田荘司

 

新装版 夏、19歳の肖像 (文春文庫)

新装版 夏、19歳の肖像 (文春文庫)

 

島田荘司先生の青春ミステリー小説です。

2017年の中国にて実写映画化され、今月の8月25日から日本で劇場公開される予定です。

バイク事故で入院中の青年が、病室の窓から目撃した「谷間の家」の恐るべき光景!ひそかに想いをよせる憧れの女性は、父親を刺殺し工事現場に埋めたのか?退院後、青年はある行動を開始する―。青春の苦い彷徨、その果てに待ち受ける衝撃の結末!

物語は主人公である「私」によって回想形式で語られ、ミステリアスな一家の発見、事件の発生、そして一家の女性との出会いと、流れるように描写されていきます。非常に構成が巧みな小説で、全体として飽きることなく読むことができました。そういう点で、読んでいてかなり映画向きの作品だと私は思いました。若干無理があるだろという展開も一部含まれましたが、そこを除けば登場するキャラクターにどこかリアリティを感じ、そこもまた魅力的な一作でした。

小説がこれだけの出来だと、映画版の仕上がりも気になります。かなり満足度の高い小説ですね。