積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『絶望系』/谷川流

 

絶望系 (新潮文庫nex)

絶望系 (新潮文庫nex)

 

谷川流先生のミステリ小説です。僕が読んだのは電撃文庫より発売された『絶望系 閉じられた世界』が新潮nexによって再販された改題版ですね。

どうにかしてくれ―。夏休み、友人の建御からの電話に、杵築は耳を疑った。曰く「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」と。助けを請われた杵築は、神々を名乗る変人を“追い出す"ため、街で起きている連続猟奇殺人事件を調べるが…。繰り広げられる形而上学的論争。尽きぬ謎。そして、幼馴染の狂気。殺人と悪魔召還は、いったい誰の仕業?

天使、悪魔、死神、幽霊。これらのわかりやすいガジェットで物語を展開させていくのは『涼宮ハルヒの憂鬱』を書いた谷川流先生らしいなと思いました。一見すると荒唐無稽な話のようですが、物語自体は綺麗に収束しています。

ミステリとしての大きなサプライズはさほどなく、どちらかといえば形而上学的論争と、話の流れに翻弄される人間を描いた作品でした。

正直、評価には困る作品で、形而上学的論争と登場人物の建御の絡みは面白かったのですが、それ以外の部分はさほど面白くはなかったです。