積読と積みゲーの狭間で

ラノベブログになる予定だった何か。

『姫ヤドリ』/やまむらはじめ

 

姫ヤドリ 1 (サンデーGXコミックス)

姫ヤドリ 1 (サンデーGXコミックス)

 

サンデーGXにて連載中のコミックです。作者は遠隔操作ロボットバトル漫画『神様ドォルズ』で知られるやまむらはじめ先生。やまむら先生はコミックサイト「Z」にて『SEVEN EDGE』という漫画も連載しています。

 

さて今作『姫ヤドリ』ですが、まあ、この仕上がりは一言で言えば「渋い」。

1970年代中盤…アメリカを中心とする「西側」と、ソビエト連邦(現ロシア)を中心とする「東側」が激しく対立した「冷戦時代」。その東側諸国に取り残されたように存在した「ハイドランカ王国」でクーデターが発生! ユディタをはじめとする3人の姫たちは辛くも脱出するが、祖国から追われる身となる。彼女らは時に「銃」を、時に代々受け継がれた特殊な「力」を使い、自由を求め西側へと向かう―――少女よ逃げろ、命の限り!

今までもやまむらはじめ先生は非常に練り込んだ設定の作品を作っていらっしゃいますが、今作もそれは健在。合間合間に挟まれる東西冷戦を絡めた舞台設定や、話と話の間に挿入される設定監修の津久田重吾先生のコラム『姫ガタリ』からもそれが伺えます。

可愛らしい少女の絵柄とは裏腹に、冷戦の世界観が上手く表現され、物語に関わってくる流れはまさしく渋い仕上がりでした。

そして物語の大きなウェイトを占めるガンアクションと、息もつかせぬ話の展開はとても魅力的で、こちらをワクワクとさせてくれました。王女達の持つ特殊な「能力」など、この物語のファンタジー要素についても、これからの展開が楽しみです。